観月ありさ初登場週ランキング&全曲紹介

観月ありさのデビュー曲「伝説の少女」が発売週でいきなり9位にランクインした1991年5月30日付のランキングを振り返ります。
90年代に入り、これまでの80年代型売り出し戦略では女性アイドルの成功は難しくなり、各プロダクションが頭を抱えていたこの頃ですが、荻野目洋子、坂上香織を成功させたライジングプロが一気に攻め込みました。少女モデルとして雑誌では既に注目されていた彼女ですが、ドラマ、CM出演、さらに「とんねるずのみなさんのおかげです」でお茶の間の知名度を一気に上げたタイミングでの歌手デビュー。このタイトルも彼女だから許されました。既存のアイドル誌は完全無視し、9頭身を生かしたファッション系雑誌のみの登場で同性人気と格上演出を図り、90年代型新アイドル像を確立してしまったのです。
尾崎亜美の楽曲も秀逸でしたが、2曲目以降も奥井香、小室哲哉、松任谷由実など錚々たるメンツに依頼し、さらに本人出演のタイアップでメディアもうまく使いこなしました。惜しむらくは2年目以降のリリースペースですかね。学業、女優業との両立もあったのでしょうが、はじめの3年はにシングル3枚、アルバム1枚を続けないと、歌手としての固定ファンが付かないと思うんですよね。案の定95年からペースを上げるものの、旬が過ぎてしまい巻き返しが出来ませんでしたからね。
余談ですがユーミン作の「今年いちばん~」では、依頼時に「真夏の夜の夢」の原曲も提出していたとか。選ばれなかったため数か月後自分の楽曲として発売し大ヒットしましたが、このとき観月サイドが「真夏~」を選んでいたらどうなっていたのでしょうね。